地味系男子が本気を出したら。


未来の春日井さんに向けて、ラブレターを書くのはどうだろう……?

何年後に開けるのかわからないタイムカプセルだけど、初めて会った時から好きでした…って。
いや恥ずかしいかな……。

開けた時に僕たちの関係がどうなってるのかわからないし……。
ネガティブな妄想をして、一気に悲しくなった。


「ちなみに何年後に開けるの?」

「えっとねぇ、10年後だって」

「10年後ってことは、22歳か。大学卒業かもう社会人ね」

「ひゃー大人だぁ」


10年後も仲の良い友達でいる自信はあるけど、それじゃあ意味ないもんね。


「わたしは10年後のわたしに手紙書くの!」

「じゃあ九竜咲玖様へ、にした方がいいんじゃない?」

「えーーっ!!」


…そうか、さっちゃんは蒼永くんと結婚してる可能性があるのか。
許嫁っていいなぁ。


「もう!からかわないでよ!」

「だって可能性あるじゃない。
流石に10年後も鈍ちんではないと思ってるけど、咲玖だから不安だわ…」

「どーゆーこと??」

「黄瀬くんはどうするの?」

「えっ、あっ僕は…普通に10年後の自分に手紙書くよ」

「そう。いいんじゃない」


…うん、やっぱりラブレターはなしかな。

最悪ものすごく痛いやつになりそうな気がするし、無難に自分に手紙を書こう…。
我ながら恥ずかしいことを考えてしまったと思い、一人小さくなりながらお肉をつついた。


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