地味系男子が本気を出したら。

この夢は、学校が楽しいと思えるようになってから、何となく芽生えた夢だ。
誰かに宿題のわからないところを教えたり、逆に教わったりするのが楽しいと思える自分に気づいて、漠然といいなぁって思った。


「春日井さんは？」

「公務員かしらね」

「公務員！！桃ちゃんらしい！」

「何があるかわからない世の中だもの。安定に勝るものはないわ」

「しっかりしてる春日井さんらしいね」

「てか咲玖は第一に九竜の嫁じゃないの？」

「お嫁さんとは別の就職先も考えなさい、ってうちのママが言ってた」

「えっなんか意外！」


生まれた時から許嫁がいるような家庭なので、勝手に専業主婦を推奨されてるのかと思ってた。


「うちのママ、キャリバリ？だから。
めっちゃ出世してるの」

「それを言うならバリキャリね」

「そう、それ」

「すごいんだねぇ」

「パパはお家でお仕事することが多いから、基本的にパパが家事やってるんだよね」


そう言えばさっちゃん家に遊びに行った時、出迎えてくれたのはお父さんだったな。


「なんか意外よね。許嫁決められるなんてどんな古風な家かと思ったら、全然そんなことないのよね」

「決めたのはおじいちゃんたちだからね〜」

「…ねぇさっちゃん、この際聞いてもいい？」

「なーに？」