地味系男子が本気を出したら。
* * *
僕が転校してきてから早1ヶ月。
結局人見知りの僕はあんまり他のクラスメイトとは話せておらず、専ら春日井さんたち三人とよく一緒にいる。
他の人とも仲良くなりたいとは思ってるんだけど、何を話していいかわからないんだよね……。
「今日の図工はお友達の似顔絵を描きましょう!
男女二人一組になってお互いを描いてください。ペアは公平にくじ引きで決めましょうね」
男女ペアかぁ…。
春日井さんと一緒になれるかなぁ…なんて思いながら、くじを引いた。
引いた番号と同じ番号の女子とペアになる。
「3番かぁ…」
「黄瀬くん、3番なのー?わたしも3番!」
ほっ…白凪さんとペアなら緊張しなくて済む。
「よかった…!よろしくね、白凪さん」
「よろしく〜!」
ちなみに春日井さんは別の男子と、九竜くんも別の女子とペアになっていた。
特に九竜くんとペアになった子は、きゃあきゃあ叫んで飛び跳ねて喜んでいた。
「黄瀬くんは絵得意?」
「得意かはわからないけど、絵描くのは好きだよ」
「そうなんだ!わたしできたよ〜!」
「えっ、もう!?」
白凪さんが見せてくれた絵は、かわいらしい絵に仕上がっていた。
天パの髪は前髪にかかるくらい長いのに、くるくるしてるのがかわいいし、メガネをかけた顔はニコッとした笑顔で…これが僕でいいのかな?って思ってしまう。
「これが僕?すっごくかわいいね…!」
「黄瀬くんは優しいから、優しそうに描いてみたの!」