地味系男子が本気を出したら。
さっちゃんって自分のことと蒼永くんのことは鈍いんだけど、意外とこういうところはちゃんと見てるんだよね。
「別に、いい加減苗字で呼ぶのもどうなのかしらって思っただけよ」
「僕たちはなんか、タイミング逃しちゃったしね…」
「そっか!私ずっと嬉しくてね、班決めの時からずっとニヤニヤしちゃったの!」
なんかたまにさっちゃんが僕たち見てニコニコしてたのは、そういうことだったのか……。
「なんかこういうの友達っていうか、もう親友!って感じだなぁと思って!」
「……。」
「……。」
「あれ!?違った!?」
「あ、あ〜〜そうだね!」
「そうかもしれないわね……」
この時、なんとなくだけど僕と桃の考えてることがシンクロしているような気がした。
さっちゃん…、全然気づいてなかった……。
うん、そうだよね…さっちゃんの鈍感加減をナメていたかもしれないよ。
鋭いところもあるよね、って思った直後のコレだから、ある意味流石だよね!
僕はそれがさっちゃんの良さだと思ってるよ。
お世辞じゃないからね!
…別に隠したいとかではないんだけど、今のさっちゃんに話して変に動揺させても嫌なので、ちゃんと報告できるようになったら…その時ちゃんと話せばいいよね。
できれば、良い報告ができるといいな。
なんて言うのかな、さっちゃん……。