地味系男子が本気を出したら。



しばらくしてから、はぁーーと息を吐いた。

び、びっくりした……!!

まさか、呼び出された理由が告白だとは思わなかった……!
自分が告白される日がくるなんて、思ってもみなかったな。

気持ちは嬉しかったけど、正直ちょっとモヤモヤするところもある。
ずっと喋っていたのは友達で、本人からは何も聞けなかったから。

僕なら自分の言葉で伝えたいって思うけど…、告白も人それぞれなのかな。


まあ、そんなこと気にしたところで、あの子の気持ちには応えられないんだけど――。



「お待たせ、さっちゃん。ごめんね」

「あ、お帰り〜」

「…桃と常盤くんは?」

「なんか先生に呼ばれて手伝いに行ったよ」

「そうなんだ」


もしかして、二人きりになってるわけじゃないよね……?
先生もいるんだよね?

ソワソワして気になってしまう。
様子を見に行きたいけど、さっちゃんを一人にするわけにはいかないしな……。


「ねぇ大志くん、今度は私が席外してもいい?」

「え、もちろん」

「なんか知らない男子に話があるって言われてて…」

「やっぱり行かないで!!僕一人だと寂しいな!!」

「えっ!?」

「僕たち親友だよね??」

「親友だよ!わかった行かない!」


……やっぱり、さっちゃんを一人にするわけにはいかないな。

蒼永くん、早く帰って来て……。

そろそろ僕や桃がストップかけるのも限界だから…。


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