婚活
「お腹ペコペコとか言っちゃって、そう言えば簡単に飯が出てくるとか思ってねぇ?」
裕樹の奴、また水をさすような事を。
「うるさいわね、裕樹。あんただって、別に男だからって気にせずご飯作ったっていいのよ?」
「別に気にしてないから、結構でございます」
減らず口ばかり叩いて……。裕樹と話してると遅くなるから、取り敢えず着替えに二階へと駆け上がり、またすぐに下に降りてきて手を洗って席に着くと、ちょうどご飯が出てきた。
「おっ。今日は生姜焼きジャン。旨そう」
「姉貴、完全に女捨ててるよな。独り暮らししたら、絶対干物女決定だろ」
「うるさい裕樹。黙ってテレビでも観てなさいよ。あっ、そうだ。裕樹。私、土曜日予定入っちゃって行けないから」
「あっ、そう」
こりゃ、ひとつ……。
「彼女でもさそって、和磨とWデートで一泊旅行にしちゃえばぁ?」
「姉貴!」
わざと親に聞こえるように言ってやったので、裕樹が一瞬、焦ってジロッと私の顔を睨んだ。
「裕樹?彼女と行くのはいいけど、女の子を泣かせるような事だけはしちゃ駄目よ」
「ハッ?わかってるって」
面倒臭そうに裕樹はそう言うと、ソファーから立ち上がった。
「あれっ?裕樹君。形勢悪くなったもんだから、自分の部屋に逃亡ですかぁ?」
「うるせぇよ。 そんな可愛げのない事ばっかり言ってるから、嫁に行けないんだぞ?」
「はぁ?行けないんじゃないんです。行かないんですぅだ。日本語は、きちんと正しく性格に」
ムッとしながら裕樹はそのまま二階へと上がっていったので、やっと落ち着いてご飯が食べられそうだ。
「珠美?行かないって、行けるうちが華よ?」
「ゲホッ……」
お母さんまで、真に受けないでよ。
「嫌だな、お母さん。まだ私、30よ?」
もう30とも言うんだけど……。
「このままズルズル家に居られても困るわよ。行ける時に貰ってくれる人が居たら、お嫁に行きなさいよ」
「はい、はい」
結局、裕樹を追い払ったのに、目の前にドカッと母に座られて、散々、結婚話しをされ、せっかくの生姜焼きが何とも味気ないものになってしまった。お風呂にも入って部屋で寝るまでの間、ふと朋美の事を思い出していた。じゃぁと言った、小林さんのたったひと言で……そんな事で、大事な結論を出していいはずないのに。
裕樹の奴、また水をさすような事を。
「うるさいわね、裕樹。あんただって、別に男だからって気にせずご飯作ったっていいのよ?」
「別に気にしてないから、結構でございます」
減らず口ばかり叩いて……。裕樹と話してると遅くなるから、取り敢えず着替えに二階へと駆け上がり、またすぐに下に降りてきて手を洗って席に着くと、ちょうどご飯が出てきた。
「おっ。今日は生姜焼きジャン。旨そう」
「姉貴、完全に女捨ててるよな。独り暮らししたら、絶対干物女決定だろ」
「うるさい裕樹。黙ってテレビでも観てなさいよ。あっ、そうだ。裕樹。私、土曜日予定入っちゃって行けないから」
「あっ、そう」
こりゃ、ひとつ……。
「彼女でもさそって、和磨とWデートで一泊旅行にしちゃえばぁ?」
「姉貴!」
わざと親に聞こえるように言ってやったので、裕樹が一瞬、焦ってジロッと私の顔を睨んだ。
「裕樹?彼女と行くのはいいけど、女の子を泣かせるような事だけはしちゃ駄目よ」
「ハッ?わかってるって」
面倒臭そうに裕樹はそう言うと、ソファーから立ち上がった。
「あれっ?裕樹君。形勢悪くなったもんだから、自分の部屋に逃亡ですかぁ?」
「うるせぇよ。 そんな可愛げのない事ばっかり言ってるから、嫁に行けないんだぞ?」
「はぁ?行けないんじゃないんです。行かないんですぅだ。日本語は、きちんと正しく性格に」
ムッとしながら裕樹はそのまま二階へと上がっていったので、やっと落ち着いてご飯が食べられそうだ。
「珠美?行かないって、行けるうちが華よ?」
「ゲホッ……」
お母さんまで、真に受けないでよ。
「嫌だな、お母さん。まだ私、30よ?」
もう30とも言うんだけど……。
「このままズルズル家に居られても困るわよ。行ける時に貰ってくれる人が居たら、お嫁に行きなさいよ」
「はい、はい」
結局、裕樹を追い払ったのに、目の前にドカッと母に座られて、散々、結婚話しをされ、せっかくの生姜焼きが何とも味気ないものになってしまった。お風呂にも入って部屋で寝るまでの間、ふと朋美の事を思い出していた。じゃぁと言った、小林さんのたったひと言で……そんな事で、大事な結論を出していいはずないのに。