婚活
何処か、遠くで携帯が振動してる?あぁ、私の携帯のバイブが振動しているんだ。やっと寝付けたと思っていたのに、無情にも携帯の振動音で起こされてしまった。枕の横に置いてある携帯を掴み、ぼんやりと見えるキーボタンを押す。カーテン越しの光りは射し込まず、まだ外が暗い事を示している。
「もしもし……」
「珠美。ごめん、寝てた?」
「うん。どうしたの?朋美。こんな朝早くから」
「ごめん。あのね……違ってた」
「何が違ってたの?」
「妊娠してなかったの。大丈夫だったの」
「えっ?」
朋美の言葉に、一気に目が覚めた。
「ごめんね、珠美。心配掛けちゃって……。ただ遅れてただけだったみたい。ホッとしちゃった」
「朋美。良かったね」
「良かったね」という言葉が、ベストアンサーなのかはわからない。何とも複雑な思いが 交錯する。
「だから今日、病院行かなくて大丈夫だから」
「うん、わかった。小林さんには、もう連絡した?」
「ううん、まだこれから。でも、今回の事でよくわかったの」
よくわかった?
「やっぱり私、小林さんとは相性が合わないみたい」
朋美。
「私、最初から言ってたじゃない?小林さんより加納さんの方がタイプだとか、あと第一印象も良くなかったし。やっぱり第一印象のインスピレーションは、大事なんだって思ったわ」
「朋美……」
「ちょうど、今回の事でいい教訓にもなったし、これを機会にもう別れる事にした」
エッ……。
「別れるって、朋美。本気なの?」
きっと冗談でこんな事言うはずもなく、恐らく朋美が本気で言ってる事ぐらいはよくわかっていた。
「あのさ……こういう事がきっかけで、結構別れるカップルって多いのよね。きっと小林さんだって、今回の事でかなり私と会うのは気まずいと思うから、いい潮時よ」
「……」
「ごめんね、朝から起こしちゃって。また月曜日にね」
「うん。それじゃ」
電話を切ったあと、言いようのない虚脱感と共に、これで良かったのかなとも思える安堵感とが頭の中を交互に駆け巡り、まだ休みの早朝だというのに目が冴えて眠れなくなってしまった。
「もしもし……」
「珠美。ごめん、寝てた?」
「うん。どうしたの?朋美。こんな朝早くから」
「ごめん。あのね……違ってた」
「何が違ってたの?」
「妊娠してなかったの。大丈夫だったの」
「えっ?」
朋美の言葉に、一気に目が覚めた。
「ごめんね、珠美。心配掛けちゃって……。ただ遅れてただけだったみたい。ホッとしちゃった」
「朋美。良かったね」
「良かったね」という言葉が、ベストアンサーなのかはわからない。何とも複雑な思いが 交錯する。
「だから今日、病院行かなくて大丈夫だから」
「うん、わかった。小林さんには、もう連絡した?」
「ううん、まだこれから。でも、今回の事でよくわかったの」
よくわかった?
「やっぱり私、小林さんとは相性が合わないみたい」
朋美。
「私、最初から言ってたじゃない?小林さんより加納さんの方がタイプだとか、あと第一印象も良くなかったし。やっぱり第一印象のインスピレーションは、大事なんだって思ったわ」
「朋美……」
「ちょうど、今回の事でいい教訓にもなったし、これを機会にもう別れる事にした」
エッ……。
「別れるって、朋美。本気なの?」
きっと冗談でこんな事言うはずもなく、恐らく朋美が本気で言ってる事ぐらいはよくわかっていた。
「あのさ……こういう事がきっかけで、結構別れるカップルって多いのよね。きっと小林さんだって、今回の事でかなり私と会うのは気まずいと思うから、いい潮時よ」
「……」
「ごめんね、朝から起こしちゃって。また月曜日にね」
「うん。それじゃ」
電話を切ったあと、言いようのない虚脱感と共に、これで良かったのかなとも思える安堵感とが頭の中を交互に駆け巡り、まだ休みの早朝だというのに目が冴えて眠れなくなってしまった。