婚活
「加納さんは?」
エッ……。
由佳から出た、久しぶりに聞いた加納さんの名前。
「そうよ。加納さんはどうしたの?」
「加納さんは……」
あの日、加納さんが言ってくれた言葉が思い出される。あれから加納さんは、どうしているのかな。
「何?加納さんと、そういう事になってるの?」
「やめてよ!そんなんじゃないって。加納さんは、ちょっといろいろ相談にのってもらってただけ。本当にそれだけだから」
「ふーん……」
何だか疑いの眼差しを二人から感じるな。
「由佳は?由佳はどうしたのよ。結婚相談所は利用してるの?」
「まだしてない。彼氏が居るせいか、イマイチ本腰が入らなくてさ。これじゃいけないんだけどね」
「いっその事、彼氏と結婚しちゃえばいいのに」
朋美……。
由佳だって、きっとあの年下彼氏と結婚したい気持ちも少なからずあると思う。でも田舎に帰らなくてはならない彼氏に、都会生活の長い由佳にはどうしても付いていくとは言えないんだ。
「あぁ、それは絶対ないから。なぁーんだ。結局今年も誰も行けず……行かずかぁ」
そんな一見、変わり映えのしない一年だったけれど、和磨との間には見えない境界線が生まれ、そして来年からは仕事も変わる和磨とはきっと環境も変わるし生活スタイルも変わって、だんだん疎遠になっていくんだろうな……。
今年ももう間もなく終わる。除夜の鐘を家族とテレビを観ながら聴いていた。
「新年、あけまして、おめでとうございます」
親しき仲にも礼儀ありで、この時だけはちゃんと親にも裕樹にも挨拶をする。学生の頃は 友達同士で初詣のハシゴと称し、夜中から出掛けていって夜通しお参りをしたり屋台の焼きそばを食べたりして、元日の夕方に帰ってきたりしていたが、もうそういう事もする歳ではなくなった。寂しいといえば、寂しいのかな?若かったと言えば、若かったのかもしれない。お風呂に入って、明日の朝食べるおせちの事を考えながらベッドに潜り込み眠りに就く。今年は私にとって、どんな年になるのだろう?
勝負の年になるのか?
はたまた、平凡に終わるのか?
どっちなんだろう?
お正月休みもあっという間に終わってしまい、今日からまた仕事だ。お正月に一度、和磨が姿を見せたが、裕樹とすぐにどこかに出掛けていってしまったので殆ど話す事もなかった。和磨も、今年は仕事が変わるから大変だろうな。
エッ……。
由佳から出た、久しぶりに聞いた加納さんの名前。
「そうよ。加納さんはどうしたの?」
「加納さんは……」
あの日、加納さんが言ってくれた言葉が思い出される。あれから加納さんは、どうしているのかな。
「何?加納さんと、そういう事になってるの?」
「やめてよ!そんなんじゃないって。加納さんは、ちょっといろいろ相談にのってもらってただけ。本当にそれだけだから」
「ふーん……」
何だか疑いの眼差しを二人から感じるな。
「由佳は?由佳はどうしたのよ。結婚相談所は利用してるの?」
「まだしてない。彼氏が居るせいか、イマイチ本腰が入らなくてさ。これじゃいけないんだけどね」
「いっその事、彼氏と結婚しちゃえばいいのに」
朋美……。
由佳だって、きっとあの年下彼氏と結婚したい気持ちも少なからずあると思う。でも田舎に帰らなくてはならない彼氏に、都会生活の長い由佳にはどうしても付いていくとは言えないんだ。
「あぁ、それは絶対ないから。なぁーんだ。結局今年も誰も行けず……行かずかぁ」
そんな一見、変わり映えのしない一年だったけれど、和磨との間には見えない境界線が生まれ、そして来年からは仕事も変わる和磨とはきっと環境も変わるし生活スタイルも変わって、だんだん疎遠になっていくんだろうな……。
今年ももう間もなく終わる。除夜の鐘を家族とテレビを観ながら聴いていた。
「新年、あけまして、おめでとうございます」
親しき仲にも礼儀ありで、この時だけはちゃんと親にも裕樹にも挨拶をする。学生の頃は 友達同士で初詣のハシゴと称し、夜中から出掛けていって夜通しお参りをしたり屋台の焼きそばを食べたりして、元日の夕方に帰ってきたりしていたが、もうそういう事もする歳ではなくなった。寂しいといえば、寂しいのかな?若かったと言えば、若かったのかもしれない。お風呂に入って、明日の朝食べるおせちの事を考えながらベッドに潜り込み眠りに就く。今年は私にとって、どんな年になるのだろう?
勝負の年になるのか?
はたまた、平凡に終わるのか?
どっちなんだろう?
お正月休みもあっという間に終わってしまい、今日からまた仕事だ。お正月に一度、和磨が姿を見せたが、裕樹とすぐにどこかに出掛けていってしまったので殆ど話す事もなかった。和磨も、今年は仕事が変わるから大変だろうな。