婚活
由佳の言うとおりなのかな?このまま帰るのも、何だか家に帰りづらい。そうだ!せっかく駅に居るんだから隣りの駅だし、和磨の通ってる学校に行ってみよう。青川学院……共学だけど、どうなんだろう?和磨。どんな教師なんだろうな。正門は開いていたが気が引けて、グラウンドの見える西門の方へとまわってみた。陸上部だろうか、フェンス越しに 声が聞こえてくる。
「ラスト1本、お願いしまぁす」
掛け声と共に駆け出す音がしていた。懐かしいな……。西門も開いていたので何となく入ってみたくなり、入ってすぐ脇の体育館の開いている扉から中を覗いてみた。
エッ……。
何で?何で和磨が居るの?
「もう一度」
見ると、体育館の片隅で女子生徒が跳び箱の練習をしている。和磨が跳び箱の飛び方を教えてる?和磨って数学の教師なんじゃ……。数学の教師が、何故、跳び箱を教えてるの?
「ここ、部外者は立ち入り禁止ですけど」
み、見つかっちゃった?言い訳を考える暇もなく、慌てて後を振り返る。
「珠美さん。いつから和磨のストーカーになったんですか?」
ス、ストーカーって……。何で久美子って子がここに?
「あれっ?和磨話してなかったんですか?」
「……」
驚いた表情の私を見て察したのか、嫌味っぽく言われてしまった。
「和磨がこの学校に来られたのは、私がこの学校に勤務してたからなの。口添えしたのよ」
「そ、そうなの……」
やけに勝ち誇ったように聞こえる言い方と、前とは随分違う久美子という子の態度は、やはり和磨の彼女だという自信からなのだろう。
「珠美さん。和磨ね……あの子が不登校になりかけていたのを担任でもないのに見抜いて、 その訳を聞いたら学年で自分だけ跳び箱が跳べなくてみんなから馬鹿にされるのが嫌だったからだって聞き出したのよ。それで放課後や早朝に練習したりしているんだけど、部活の邪魔になるのを避けて、端の方でやってるの」
和磨……
「でもあまりにも上達しないから、またそれはそれでいろいろ周りからは言われ出して、和磨に私も忠告したのよね」
「忠告?」
「一人の生徒に掛かりっきりになると、それまた問題になるわよって。でも和磨は聞き入れなかったわ。でも……あっ、跳べそうかも?」
和磨の働いている場所は、青川学院だという事は知っていた。でもどんな環境で、どういう教師なのかなんて全然知らなかった。
「ラスト1本、お願いしまぁす」
掛け声と共に駆け出す音がしていた。懐かしいな……。西門も開いていたので何となく入ってみたくなり、入ってすぐ脇の体育館の開いている扉から中を覗いてみた。
エッ……。
何で?何で和磨が居るの?
「もう一度」
見ると、体育館の片隅で女子生徒が跳び箱の練習をしている。和磨が跳び箱の飛び方を教えてる?和磨って数学の教師なんじゃ……。数学の教師が、何故、跳び箱を教えてるの?
「ここ、部外者は立ち入り禁止ですけど」
み、見つかっちゃった?言い訳を考える暇もなく、慌てて後を振り返る。
「珠美さん。いつから和磨のストーカーになったんですか?」
ス、ストーカーって……。何で久美子って子がここに?
「あれっ?和磨話してなかったんですか?」
「……」
驚いた表情の私を見て察したのか、嫌味っぽく言われてしまった。
「和磨がこの学校に来られたのは、私がこの学校に勤務してたからなの。口添えしたのよ」
「そ、そうなの……」
やけに勝ち誇ったように聞こえる言い方と、前とは随分違う久美子という子の態度は、やはり和磨の彼女だという自信からなのだろう。
「珠美さん。和磨ね……あの子が不登校になりかけていたのを担任でもないのに見抜いて、 その訳を聞いたら学年で自分だけ跳び箱が跳べなくてみんなから馬鹿にされるのが嫌だったからだって聞き出したのよ。それで放課後や早朝に練習したりしているんだけど、部活の邪魔になるのを避けて、端の方でやってるの」
和磨……
「でもあまりにも上達しないから、またそれはそれでいろいろ周りからは言われ出して、和磨に私も忠告したのよね」
「忠告?」
「一人の生徒に掛かりっきりになると、それまた問題になるわよって。でも和磨は聞き入れなかったわ。でも……あっ、跳べそうかも?」
和磨の働いている場所は、青川学院だという事は知っていた。でもどんな環境で、どういう教師なのかなんて全然知らなかった。