婚活
和磨。きっと遅くなると思って、家に電話してくれていたんだ。知らなかった。和磨は……勢いで言ったんじゃなかったんだ。だから家に電話を……。
「私……お母さん。ちょっと、出掛けてくる」
階段を上りかけていたが、急いでまた玄関に降りて靴を履いた。
「珠美。何処行くの?こんな時間から」
「和磨のところ」
「和君の家?」
「お母さん!」
玄関のドアを開けながら振り返った。
「何?」
「遅くなるか、もしかしたら帰らないか……ングングッ」
「ドア開けっ放しでそんな大きな声出したら、ご近所に聞こえるでしょ?まして、お父さんに聞こえたらどうするの!」
小声で母が捲し立てた。
「えっ?あ、あぁ、そうか……」
「気を付けて行くのよ。寒いから、もう閉めるわよ」
「う、うん」
背中を押され、母に外に追い出された感じだった。お母さん……。驚いた。てっきり反対すると思ったのに。門扉を静かに閉め、路地を曲がってから走り出した。急に走り出すなって和磨は言ったけど、今はそれどころじゃない。和磨……。和磨に早く会いたい。今、別れたばかりなのに……それなのに、こんなにも和磨に会いたいなんて。
「タイミングが合わなかっただけ」
タイミングって、何よ?
「珠美がそれほどまで躊躇するって事は、悩んでいるって事だろ?悩ませているのが俺だとわかってる以上、俺はそんな事はしたくない。それじゃ、おやすみ」
悩んでなんか……悩んでたかもしれないけど、今はもう悩んでないよ、和磨。
和磨の家のインターホンを押す。
「はい」
あっ、おばさんだ。
「珠美です。こんばんは。ハァハァ……和磨……和磨、居ます?」
「和磨?それが、まだ帰ってないのよ」
エッ……。
だってさっき帰っていったのに、和磨。 何処行ったんだろう?
「珠美ちゃん。今、開けるわね」
「あっ、おばさん。夜分に申し訳ありませんでした。また伺いますから」
「そう?悪いわねぇ」
「おやすみなさい」
和磨……。何処行ったの?
「私……お母さん。ちょっと、出掛けてくる」
階段を上りかけていたが、急いでまた玄関に降りて靴を履いた。
「珠美。何処行くの?こんな時間から」
「和磨のところ」
「和君の家?」
「お母さん!」
玄関のドアを開けながら振り返った。
「何?」
「遅くなるか、もしかしたら帰らないか……ングングッ」
「ドア開けっ放しでそんな大きな声出したら、ご近所に聞こえるでしょ?まして、お父さんに聞こえたらどうするの!」
小声で母が捲し立てた。
「えっ?あ、あぁ、そうか……」
「気を付けて行くのよ。寒いから、もう閉めるわよ」
「う、うん」
背中を押され、母に外に追い出された感じだった。お母さん……。驚いた。てっきり反対すると思ったのに。門扉を静かに閉め、路地を曲がってから走り出した。急に走り出すなって和磨は言ったけど、今はそれどころじゃない。和磨……。和磨に早く会いたい。今、別れたばかりなのに……それなのに、こんなにも和磨に会いたいなんて。
「タイミングが合わなかっただけ」
タイミングって、何よ?
「珠美がそれほどまで躊躇するって事は、悩んでいるって事だろ?悩ませているのが俺だとわかってる以上、俺はそんな事はしたくない。それじゃ、おやすみ」
悩んでなんか……悩んでたかもしれないけど、今はもう悩んでないよ、和磨。
和磨の家のインターホンを押す。
「はい」
あっ、おばさんだ。
「珠美です。こんばんは。ハァハァ……和磨……和磨、居ます?」
「和磨?それが、まだ帰ってないのよ」
エッ……。
だってさっき帰っていったのに、和磨。 何処行ったんだろう?
「珠美ちゃん。今、開けるわね」
「あっ、おばさん。夜分に申し訳ありませんでした。また伺いますから」
「そう?悪いわねぇ」
「おやすみなさい」
和磨……。何処行ったの?