婚活
「いえ、そんな事ないですよ。私もどうしてって聞かれても、答えられないかもしれないです。いつかは実家を出なきゃいけないから婚活でもして……って感じですから」
不思議とこの男には、正直な気持ちを言えた。
「じゃぁ、良かった。多分、俺はまだ結婚するつもりはないから。沢村さんと会ったのも そういう感じなんで……」
表裏のない男というか、悪気はないとこちらに悟らせる感じで憎めない男だった。
「楽しかったです。ありがとうございました。あの……」
「ここはいいから。楽しい時間を共有出来たと思えば安いよ」
景山さん。
「それじゃ、ここで。ありがとう、沢村さん。あと10年後ぐらいに会えてたら良かったなぁ」
「アッハッハ……。もうその頃は、おばさんになってますよ」
最後まで笑いの絶えない人だった。話術かな?飽きさせないし、楽しいし、嫌な思いは何一つしなかった。本来の目的である、縁結びという事を除いては。それなのに、それでもいいとさえ思わせてしまう。あの男は、いったい何者だったんだろう?彼女が居そうな感じもしたんだけど……。案の定、相談所からは景山さんか 断りの連絡が入ったと電話が掛かってきた。あの男、本当に最後まで笑わせてくれたよ。
久しぶりに金曜の夜、いつものメンバーで集まる事になり、お互いの婚活の進行状況についても知りたくてワクワクしながら行きつけの居酒屋へと向かうと、もう朋美も由佳も来て席に座っていた。
「珠美。こっちだよ」
「遅くなって、ごめんね」
「もう来る頃だと思ったから、生中ジョッキ頼んでおいたから」
「ありがとう」
やっぱりこのメンバーだとホッとする。
「乾杯!」
久々に飲める感じだ。
「珠美はどうだった?二人と会ったんでしょ?」
「うん。最初の男は最悪よ。男とは……から始まって、亭主関白宣言までされた上に割り勘だった」
「ギャッハッハ……。そのギャップは何?」
「よくわからない。でも次に会った人は、凄くいい男だったよ。でも結婚する気はないらしくて、どっちも先方から断りの連絡が来ちゃった」
「それなら、まだいいわよ」
エッ……。
「朋美。何かあったの?」
朋美は前に小林さんとの事があるから、どうしてもそっち方面を心配してしまう。
不思議とこの男には、正直な気持ちを言えた。
「じゃぁ、良かった。多分、俺はまだ結婚するつもりはないから。沢村さんと会ったのも そういう感じなんで……」
表裏のない男というか、悪気はないとこちらに悟らせる感じで憎めない男だった。
「楽しかったです。ありがとうございました。あの……」
「ここはいいから。楽しい時間を共有出来たと思えば安いよ」
景山さん。
「それじゃ、ここで。ありがとう、沢村さん。あと10年後ぐらいに会えてたら良かったなぁ」
「アッハッハ……。もうその頃は、おばさんになってますよ」
最後まで笑いの絶えない人だった。話術かな?飽きさせないし、楽しいし、嫌な思いは何一つしなかった。本来の目的である、縁結びという事を除いては。それなのに、それでもいいとさえ思わせてしまう。あの男は、いったい何者だったんだろう?彼女が居そうな感じもしたんだけど……。案の定、相談所からは景山さんか 断りの連絡が入ったと電話が掛かってきた。あの男、本当に最後まで笑わせてくれたよ。
久しぶりに金曜の夜、いつものメンバーで集まる事になり、お互いの婚活の進行状況についても知りたくてワクワクしながら行きつけの居酒屋へと向かうと、もう朋美も由佳も来て席に座っていた。
「珠美。こっちだよ」
「遅くなって、ごめんね」
「もう来る頃だと思ったから、生中ジョッキ頼んでおいたから」
「ありがとう」
やっぱりこのメンバーだとホッとする。
「乾杯!」
久々に飲める感じだ。
「珠美はどうだった?二人と会ったんでしょ?」
「うん。最初の男は最悪よ。男とは……から始まって、亭主関白宣言までされた上に割り勘だった」
「ギャッハッハ……。そのギャップは何?」
「よくわからない。でも次に会った人は、凄くいい男だったよ。でも結婚する気はないらしくて、どっちも先方から断りの連絡が来ちゃった」
「それなら、まだいいわよ」
エッ……。
「朋美。何かあったの?」
朋美は前に小林さんとの事があるから、どうしてもそっち方面を心配してしまう。