婚活
「だから、強ち論外ばかりが来るとは限らないって朋美と言ってたのよ。そりゃぁ、いろいろ居るだろうけれど、相談所からしたら医者も自営も公務員も会員は居るだろうし、出逢いのチャンスの少ない切羽詰まってる男の足元見てるんじゃない?まぁ、それは女にも言える事だけど、女にその金額提示したら絶対来ないって」
そうだよなぁ……。
「それで、その合コンなんだけど、所謂、集団お見合いみたいなもんでしょ?だから毎回 数打ちゃ当たる的な1対1で会うよりも、一石二鳥じゃないけど当たる確率も高そうだから、ものは試しで行ってみようかって事になったのよ。1000円だしさ。だから珠美もどうかと思って」
「私?うーん……どうしようか?」
由佳に聞いてどうするのよ。さっきの和磨の言葉が気になりながらも、由佳と朋美が行こうとしている相談所主催の合コンの出欠を迫られ、自分でもどうしていいのかわからない。
「珠美。行こうよ」
「うーん……」
「珠美。何事も当たって砕けろだよ。尻込みしてても仕方ないって。今、画面開いてるんでしょ?」
もう、とっくにパソコン画面は立ち上がっていた。
「う、うん」
「だったら早く参加人数が一杯になっちゃう前に、今すぐ申し込んで」
「い、今すぐ?」
由佳の積極的な言動に圧倒されそう。
「そうよ。でなきゃ、珠美。行かなそうだから」
うっ……。
何だか由佳に、見破られているかもしれない。
「わ、わかったわよ。申し込めばいいんでしょ、申し込めば……」
「そうよ。参加しますにクリックするだけで、もう登録完了でOKだから」
相談所主催の合コンに参加しますをクリックし、半ば強制的に相談所主催の合コンに私も 参加する事になってしまった。
「再来週の土曜日だから、その前にまた一度集まって作戦会議よ」
「う、うん。わかった」
「それじゃ、おやすみ」
「おやすみ」
由佳の圧倒されそうな決断を迫る口ぶりに断り切れずに、結局、参加する事になってしまった。相談所主催の合コン……。いったいどんな人達が来るんだろう。怖いもの見たさというか、想像すると何だかドキドキしてきた。
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