婚活
淳君は、まるで軽いノリで話している。だけど先ほどの由佳の声には、そんな雰囲気は微塵にも感じられなかった。でも長年一緒に居た淳君だったら、いくら別れたからといってまだ何年も経ってるわけじゃないし、私にでもわかるぐらいなんだからそのくらいわかりそうなものなのに……。
「そう。また随分、軽いノリね」
由佳ったら、角が立つ言い方をしている。
「そうか?でも、こうでもしてテンションあげていかないと無理だから」
テンションあげていかないと?
「何が無理なのよ?」
完全にそれこそ由佳のテンションは、下げ止まる事を知らない感じでどんどん冷めた言い方になっている。
「都会人には、わからないんだよ」
じゅ、淳君。それ言い過ぎなんじゃ……。
「そうね。わからない」
由佳。由佳のこういうところが私は好きだ。自分が知り得ない事でも恥じる事なくはっきりと格好つけたりせず、知らないものは知らないと物怖じせずに言える由佳の性格が。
「地方に嫁は、なかなか来てくれないんだよ」
由佳でなくても、私でもグサッと来る言葉だった。
「みんな男は独身のまま歳をとっていく。特に長男はそうだから……。だからそれを家の親が心配してあまり歳がいってからじゃ、もっと嫁は来てくれないからと俺に行って来いと言ったんだ」
何だか身につまされる話しで口の中が異常に乾いたのと、どんな表情を、そしてどういう言葉をこの後、由佳に掛けたらいいのかと思うと、持っていたグラスに入っているワインをひと口飲んで間が持たない自分を落ち着かせようとした。
「断るわけにもいかないだろ?断る理由が俺には見つからなかったから」
「淳……」
「ハハッ……。由佳が何も深刻になる事はないさ。俺は由佳にフラれた身でもないし、由佳が責任を感じる事もない。二人で話し合って決めた事なんだから。ただ現実はこうなんだって事。駄目で元々だから、テンションあげてないと無理なわけ」
「そう。また随分、軽いノリね」
由佳ったら、角が立つ言い方をしている。
「そうか?でも、こうでもしてテンションあげていかないと無理だから」
テンションあげていかないと?
「何が無理なのよ?」
完全にそれこそ由佳のテンションは、下げ止まる事を知らない感じでどんどん冷めた言い方になっている。
「都会人には、わからないんだよ」
じゅ、淳君。それ言い過ぎなんじゃ……。
「そうね。わからない」
由佳。由佳のこういうところが私は好きだ。自分が知り得ない事でも恥じる事なくはっきりと格好つけたりせず、知らないものは知らないと物怖じせずに言える由佳の性格が。
「地方に嫁は、なかなか来てくれないんだよ」
由佳でなくても、私でもグサッと来る言葉だった。
「みんな男は独身のまま歳をとっていく。特に長男はそうだから……。だからそれを家の親が心配してあまり歳がいってからじゃ、もっと嫁は来てくれないからと俺に行って来いと言ったんだ」
何だか身につまされる話しで口の中が異常に乾いたのと、どんな表情を、そしてどういう言葉をこの後、由佳に掛けたらいいのかと思うと、持っていたグラスに入っているワインをひと口飲んで間が持たない自分を落ち着かせようとした。
「断るわけにもいかないだろ?断る理由が俺には見つからなかったから」
「淳……」
「ハハッ……。由佳が何も深刻になる事はないさ。俺は由佳にフラれた身でもないし、由佳が責任を感じる事もない。二人で話し合って決めた事なんだから。ただ現実はこうなんだって事。駄目で元々だから、テンションあげてないと無理なわけ」