婚活
「何か、気に入らない」
「朋美?」
朋美が何だか不穏な動きをしそうで怖かったので、釘を刺すように朋美の名前を呼んだ。
「珠美。大丈夫よ、まだ行動には移さないから。由佳。淳君って何のためにこっちで研修してたわけ?」
「何のためって……田舎に帰ってからじゃ何も経験出来ないから、デパートの食品売り場やスーパーの食品売り場で接客や商品について勉強したりしてたんじゃない?」
「だったらそれを生かしてもらえばいいでしょ?ちょっと私、行ってくる」
「ちょ、ちょっと、朋美!」
「朋美。待って」
由佳と私の制止を振り切り、朋美は淳君の居るテーブルへとまっしぐらに向かっていってしまった。
朋美……。
慌てて由佳と一緒に朋美を追ったが、時すでに遅し。朋美は淳君の名前を呼んでいた。
「淳君。ちょっといい?」
何事かといった表情で誰か知らない女性と話していた淳君が、朋美に後ろから声を掛けられて振り向いた。
「ちょっと。今、私がこの人と話してたんだけど」
うわっ。淳君と話していた女性は、まるで朋美の分身とでもいうような感じだ。
「悪いけど、今、立て込んでるから別の男あたって」
しかし、朋美の方が何枚も上手だったようで腕を組んでひと睨みすると、言い返そうとしたその女性は、すごすごと立ち去っていった。
「な、何事だよ」
「ちょっと淳君。あんたひと言、言いに来たから」
「朋美?」
慌てて間に入ろうとしたが、朋美の腕力に圧倒されて由佳の横に弾き返された。
「何?」
淳君も最初は怪訝そうな顔をしていたが、ただならぬ雰囲気に表情を引き締め朋美に向き直った。
「確かに、淳君は由佳より年下だよ。だけど年下だからといってそれとこれとは別の話しだから」
何なの?朋美は、いったい何を言おうとしてるのよ。
「あんた、大学で何を学んでた?社会人になって、何を身に付けた?」
「……」
淳君は朋美が何を言いたいのかわからないせいか、黙ったまま朋美の次の言葉を待っているようだった。
「大学で経営学を学んだんだったわよね?だったらそれを生かしなさいよ。社会人になって商売の心得だか、流通の仕事の学習だか知らないけど、でも社会勉強したんだったらもっと男として誇りを持ちなさいよ」
「誇り?」
淳君が初めて口を開いた。
「朋美?」
朋美が何だか不穏な動きをしそうで怖かったので、釘を刺すように朋美の名前を呼んだ。
「珠美。大丈夫よ、まだ行動には移さないから。由佳。淳君って何のためにこっちで研修してたわけ?」
「何のためって……田舎に帰ってからじゃ何も経験出来ないから、デパートの食品売り場やスーパーの食品売り場で接客や商品について勉強したりしてたんじゃない?」
「だったらそれを生かしてもらえばいいでしょ?ちょっと私、行ってくる」
「ちょ、ちょっと、朋美!」
「朋美。待って」
由佳と私の制止を振り切り、朋美は淳君の居るテーブルへとまっしぐらに向かっていってしまった。
朋美……。
慌てて由佳と一緒に朋美を追ったが、時すでに遅し。朋美は淳君の名前を呼んでいた。
「淳君。ちょっといい?」
何事かといった表情で誰か知らない女性と話していた淳君が、朋美に後ろから声を掛けられて振り向いた。
「ちょっと。今、私がこの人と話してたんだけど」
うわっ。淳君と話していた女性は、まるで朋美の分身とでもいうような感じだ。
「悪いけど、今、立て込んでるから別の男あたって」
しかし、朋美の方が何枚も上手だったようで腕を組んでひと睨みすると、言い返そうとしたその女性は、すごすごと立ち去っていった。
「な、何事だよ」
「ちょっと淳君。あんたひと言、言いに来たから」
「朋美?」
慌てて間に入ろうとしたが、朋美の腕力に圧倒されて由佳の横に弾き返された。
「何?」
淳君も最初は怪訝そうな顔をしていたが、ただならぬ雰囲気に表情を引き締め朋美に向き直った。
「確かに、淳君は由佳より年下だよ。だけど年下だからといってそれとこれとは別の話しだから」
何なの?朋美は、いったい何を言おうとしてるのよ。
「あんた、大学で何を学んでた?社会人になって、何を身に付けた?」
「……」
淳君は朋美が何を言いたいのかわからないせいか、黙ったまま朋美の次の言葉を待っているようだった。
「大学で経営学を学んだんだったわよね?だったらそれを生かしなさいよ。社会人になって商売の心得だか、流通の仕事の学習だか知らないけど、でも社会勉強したんだったらもっと男として誇りを持ちなさいよ」
「誇り?」
淳君が初めて口を開いた。