婚活
「そうよ。今のあんたは誇りの欠片もない、ただ負の面を前面に押し出してお情け頂戴みたいに他人の同情を買おうとしてるだけの落ちぶれた男よ」
「朋美……。ちょっと言い過ぎだよ」
このまま罵倒してばかりじゃ、きっといくら淳君でも怒り出す。
「農業がそんなに嫌な仕事で大変で……。それでも嫁に来てくれ?そんなところに誰が嫁に行くのよ」
淳君が大きく息を吸い込んだが、何かを言おうとしても朋美が捲し立てていて、口を挟む 隙を与えない
「女はね、特に都会で生まれ育った女にしてみたら、何を好きこのんでそんなところにお嫁に行かなきゃいけないのよ、としか思えないわよ。昔と違ってその家と結婚するわけじゃないの。自分の好きになった男と結婚する、結婚したいとしか思ってないって。それに、たまたま実家が農家だったって事が付いてくるのよ。わかる?」
「……」
「今のあんたは、農家は大変だけど、それでも良ければ一緒に来てくれとしか主張していない。それじゃ、いくら由佳があんたの事を好きでも絶対行かないね。どれだけあんたが好きでも、あんたと一緒に苦楽を共にしたいと思えない。どうしてだかわかる?あんたに魅力がないからよ。実家は農家で大変だけど、それでも由佳を幸せにしたい、幸せにして見せるぐらいの男としての甲斐性を見せない限り、お互い愛し合っていたってその壁は越えられない。由佳の気持ちを揺ら揺さぶってみなさいよ。あんたが由佳を本当に幸せにしたかったなら、男を見せなさいよね。でなきゃ、どんな女だってどれだけ格好良くても、本当の男じゃないから誰も振り向かないわよ。あんたと結婚するんであって、農家と結婚するんじゃないって事。そのぐらいいくら年下だからって、いい加減気付きなさいよ。わかった?私が言いたいのはそれだけ」
「朋美……」
由佳が泣きそうな顔をして朋美の名前を呼んだ。
「珠美。行こう」
エッ……。
「ここは二人に任せて、私達はいい男を探すよ」
「あっ。う、うん」
私の腕を引っ張って足早にその場を立ち去ろうとした朋美の右手に、右手で上から触れた。何?というような顔をして朋美が私を見ていたが、何だか嬉しくなってそのまま今度は左手で朋美の右手を掴み、手を繋ぎながら今度は私が朋美を引っ張って走っていた。
「ちょ、ちょっと、珠美。何処まで行くのよ」
「朋美……。ちょっと言い過ぎだよ」
このまま罵倒してばかりじゃ、きっといくら淳君でも怒り出す。
「農業がそんなに嫌な仕事で大変で……。それでも嫁に来てくれ?そんなところに誰が嫁に行くのよ」
淳君が大きく息を吸い込んだが、何かを言おうとしても朋美が捲し立てていて、口を挟む 隙を与えない
「女はね、特に都会で生まれ育った女にしてみたら、何を好きこのんでそんなところにお嫁に行かなきゃいけないのよ、としか思えないわよ。昔と違ってその家と結婚するわけじゃないの。自分の好きになった男と結婚する、結婚したいとしか思ってないって。それに、たまたま実家が農家だったって事が付いてくるのよ。わかる?」
「……」
「今のあんたは、農家は大変だけど、それでも良ければ一緒に来てくれとしか主張していない。それじゃ、いくら由佳があんたの事を好きでも絶対行かないね。どれだけあんたが好きでも、あんたと一緒に苦楽を共にしたいと思えない。どうしてだかわかる?あんたに魅力がないからよ。実家は農家で大変だけど、それでも由佳を幸せにしたい、幸せにして見せるぐらいの男としての甲斐性を見せない限り、お互い愛し合っていたってその壁は越えられない。由佳の気持ちを揺ら揺さぶってみなさいよ。あんたが由佳を本当に幸せにしたかったなら、男を見せなさいよね。でなきゃ、どんな女だってどれだけ格好良くても、本当の男じゃないから誰も振り向かないわよ。あんたと結婚するんであって、農家と結婚するんじゃないって事。そのぐらいいくら年下だからって、いい加減気付きなさいよ。わかった?私が言いたいのはそれだけ」
「朋美……」
由佳が泣きそうな顔をして朋美の名前を呼んだ。
「珠美。行こう」
エッ……。
「ここは二人に任せて、私達はいい男を探すよ」
「あっ。う、うん」
私の腕を引っ張って足早にその場を立ち去ろうとした朋美の右手に、右手で上から触れた。何?というような顔をして朋美が私を見ていたが、何だか嬉しくなってそのまま今度は左手で朋美の右手を掴み、手を繋ぎながら今度は私が朋美を引っ張って走っていた。
「ちょ、ちょっと、珠美。何処まで行くのよ」