婚活
「珠美ちゃん、どうしたの?その足」
「こんばんは。それが……」
「お袋、いいからあっち行ってろよ。あとで、ちゃんと説明してやるから。珠美、階段昇れるか?」
「平気」
おばさんへの挨拶もそこそこに、和磨の部屋に向かった。
何年ぶりだろう。和磨の部屋に入ったのって……。高校時代以来かもしれない。部屋の中を見渡すも、小さい頃から今だに置いてあるものなどもあって、懐かしさでいっぱいだ。
「そこに座って待ってろ。今、救急箱取ってくるから」
開いていた部屋の窓を閉めながら、和磨がそう告げた。
「和磨」
「何だよ」
「怖い……」
立っていた私の横を通って、部屋を出て行こうとした和磨の腕を掴んだ。和磨の家に居るのだから大丈夫だとはわかっていても、やはり今は一人になるのが怖かった。
「珠美?」
「ごめん……」
和磨の手首を離し言われたとおりベッドに静かに腰を下ろすのを見届けると、和磨は部屋から出ていき、程なく救急箱を抱えて戻ってきた。そしてベッドの上に救急箱をのせると、机の椅子をベッドに近づけ座り私と向かい合った。
「脱いで、足出せ」
な、何?
「ストッキング脱げよ」
はぁ?
「い、嫌よ。何で和磨の前で、脱がなきゃいけないのよ」
すると和磨は大きく溜息をつき私の右足を自分の膝の上に無理矢理のせると、ハサミを持った。
「ちょ、ちょっと、和磨」
「大人しくしてないと、肉も切るぞ」
うっ……。それは、痛いから嫌だ。
「な、何て事言うのよ」
「お前が悪いんだろ?ちゃんと素直に脱がないから」
和磨はハサミで私のストッキングの膝の上の部分から切って、素足にさせた。
「それ取って」
「えっ?」
「消毒薬取れって、言ってんの」
和磨がネクタイの裾をワイシャツのボタンとボタンの間に入れながら、ぶっきらぼうに言っている。
「消毒薬って……」
救急箱の中身を見たが、びっしり入っていてどれがどれだかよくわからない。
「あぁ、もぉ面倒臭いな。箱ごとよこせ」
言われるまま和磨に救急箱を渡すと、和磨は救急箱を私の腿の上に置いた。
「箱が落ちないように、押さえてろよ」
「う、うん」
何よ、偉そうに。
「うっ……。浸みるよ、和磨。痛いってば……」
「情けなねぇなぁ。このぐらい我慢しろ」
乱暴に消毒液を脱脂綿で塗る和磨に、不平をぶつける。
「もっと、優しくやってよね」
「うるさい。ほらっ。今度は左」
「こんばんは。それが……」
「お袋、いいからあっち行ってろよ。あとで、ちゃんと説明してやるから。珠美、階段昇れるか?」
「平気」
おばさんへの挨拶もそこそこに、和磨の部屋に向かった。
何年ぶりだろう。和磨の部屋に入ったのって……。高校時代以来かもしれない。部屋の中を見渡すも、小さい頃から今だに置いてあるものなどもあって、懐かしさでいっぱいだ。
「そこに座って待ってろ。今、救急箱取ってくるから」
開いていた部屋の窓を閉めながら、和磨がそう告げた。
「和磨」
「何だよ」
「怖い……」
立っていた私の横を通って、部屋を出て行こうとした和磨の腕を掴んだ。和磨の家に居るのだから大丈夫だとはわかっていても、やはり今は一人になるのが怖かった。
「珠美?」
「ごめん……」
和磨の手首を離し言われたとおりベッドに静かに腰を下ろすのを見届けると、和磨は部屋から出ていき、程なく救急箱を抱えて戻ってきた。そしてベッドの上に救急箱をのせると、机の椅子をベッドに近づけ座り私と向かい合った。
「脱いで、足出せ」
な、何?
「ストッキング脱げよ」
はぁ?
「い、嫌よ。何で和磨の前で、脱がなきゃいけないのよ」
すると和磨は大きく溜息をつき私の右足を自分の膝の上に無理矢理のせると、ハサミを持った。
「ちょ、ちょっと、和磨」
「大人しくしてないと、肉も切るぞ」
うっ……。それは、痛いから嫌だ。
「な、何て事言うのよ」
「お前が悪いんだろ?ちゃんと素直に脱がないから」
和磨はハサミで私のストッキングの膝の上の部分から切って、素足にさせた。
「それ取って」
「えっ?」
「消毒薬取れって、言ってんの」
和磨がネクタイの裾をワイシャツのボタンとボタンの間に入れながら、ぶっきらぼうに言っている。
「消毒薬って……」
救急箱の中身を見たが、びっしり入っていてどれがどれだかよくわからない。
「あぁ、もぉ面倒臭いな。箱ごとよこせ」
言われるまま和磨に救急箱を渡すと、和磨は救急箱を私の腿の上に置いた。
「箱が落ちないように、押さえてろよ」
「う、うん」
何よ、偉そうに。
「うっ……。浸みるよ、和磨。痛いってば……」
「情けなねぇなぁ。このぐらい我慢しろ」
乱暴に消毒液を脱脂綿で塗る和磨に、不平をぶつける。
「もっと、優しくやってよね」
「うるさい。ほらっ。今度は左」