婚活
別に、加納さんを信用してない訳じゃない。だけどまだ会って2度目なのに、まだ車に乗って何処かに行くとかは少し憚られた。どうしよう……。
「あぁ、ごめんなさい。まだ何処の誰だかわからない僕の車に乗るとか、怖いですよね。やっぱり電車で行きましょう」
「あの……。ごめんなさい。そんなつもりじゃ……。その……」
「気にしないで。当然と言えば、当然なんだから。女性は、そのぐらい警戒心があった方がいい」
加納さん……。
快く電車で行く事にしてくれた加納さんに、少なからず決断力の速さと優しさを見た気がした。
久しぶりに見た海は、波打つ水面にキラキラと太陽が反射して偶然作り出される星形の光りを無数に見せてくれていた。
「この水平線の果てには何があるんだろうって子供の頃思ってたけれど、たとえそこに辿り着いてもあるのはやっぱり海で……」
「……」
「永遠に、辿り着けないのが水平線なんですよね」
加納さん。
砂浜の横の階段を上り、小高い芝生のある場所に向かいベンチに座って海を眺める。
「小林と佐原さんは結婚相談所を介して会ったみたいだけど、沢村さんも入ってるそうですね。小林が、佐原さんからそう聞いたと言ってました」
「そうなんです」
別に後ろめたくはないけれど、何となく胸を張っては言えず、加納さんの方は向かずに海を見たまま返事をした。
「どうしてですか?」
エッ……。
「不躾な質問なんですが……。何故、結婚相談所に登録したんですか?」
何故って……。変な事、聞く人だな。加納さんの顔を見ると太陽に照らされながら私を見ていたが、その目はとても険しく真剣な眼差しで、まるで私の瞳を射るように眩しさに目を細めながらも決して視線を外さず見ていた。
「そ、それは、勿論結婚相手を探すためですよ」
この言葉は、あながち嘘ではない。今のままでは出会いがないから登録したと言ってもいいのかな。
「失礼な言い方かもしれないですが、沢村さんは本当に結婚したいと思ってますか?」
「えっ?」
加納さんったら、何言い出してるのよ。今、言ったばかりじゃない。結婚相手を探すためだって。
「どうしても、僕には貴女が結婚に切羽詰まってるようには思えないのです」
「……」
「あぁ、ごめんなさい。まだ何処の誰だかわからない僕の車に乗るとか、怖いですよね。やっぱり電車で行きましょう」
「あの……。ごめんなさい。そんなつもりじゃ……。その……」
「気にしないで。当然と言えば、当然なんだから。女性は、そのぐらい警戒心があった方がいい」
加納さん……。
快く電車で行く事にしてくれた加納さんに、少なからず決断力の速さと優しさを見た気がした。
久しぶりに見た海は、波打つ水面にキラキラと太陽が反射して偶然作り出される星形の光りを無数に見せてくれていた。
「この水平線の果てには何があるんだろうって子供の頃思ってたけれど、たとえそこに辿り着いてもあるのはやっぱり海で……」
「……」
「永遠に、辿り着けないのが水平線なんですよね」
加納さん。
砂浜の横の階段を上り、小高い芝生のある場所に向かいベンチに座って海を眺める。
「小林と佐原さんは結婚相談所を介して会ったみたいだけど、沢村さんも入ってるそうですね。小林が、佐原さんからそう聞いたと言ってました」
「そうなんです」
別に後ろめたくはないけれど、何となく胸を張っては言えず、加納さんの方は向かずに海を見たまま返事をした。
「どうしてですか?」
エッ……。
「不躾な質問なんですが……。何故、結婚相談所に登録したんですか?」
何故って……。変な事、聞く人だな。加納さんの顔を見ると太陽に照らされながら私を見ていたが、その目はとても険しく真剣な眼差しで、まるで私の瞳を射るように眩しさに目を細めながらも決して視線を外さず見ていた。
「そ、それは、勿論結婚相手を探すためですよ」
この言葉は、あながち嘘ではない。今のままでは出会いがないから登録したと言ってもいいのかな。
「失礼な言い方かもしれないですが、沢村さんは本当に結婚したいと思ってますか?」
「えっ?」
加納さんったら、何言い出してるのよ。今、言ったばかりじゃない。結婚相手を探すためだって。
「どうしても、僕には貴女が結婚に切羽詰まってるようには思えないのです」
「……」