婚活
家の何処かで、今ガタッと音がしたような気がする。でも木造家屋などは、よく軋む音がしたりするからそれかもしれない。少し怖くなって慌ててグラスを水に浸け、リビングの電気は付けっぱなしのまま二階に駆け上がった。私って、こんなに怖がりだったっけ。小さめな音で音楽をかけ、またパソコンを立ち上げる。玄関の戸締まりは、ちゃんとしただろうか。多分、したよな……。さっき、確認したから大丈夫。頷いてパソコンを立ち上げたが、気もそぞろに画面に向かいながら何か音がしても聞こえなかったら困るので音楽を消した。
ピンポ~ン!
うわっ。
あまりの突然のインターホンの音に、椅子から飛び上がってしまった。
出る?出ない?
こんな時間に、新聞屋は有り得ない。月末じゃないから、集金でもないだろうし……。静かに階段を降りて階段の最後の二段ぐらいのところで止まって、外の様子を窺う。
「もしもし、俺……何?居ないのかよ。えっ?そうなんだ……悪い邪魔したな。それじゃ」
和磨?
裕樹と電話してるのか、ドア越しに聞こえる和磨の声がする。この際、和磨でもいいや。覗き窓からそっと確認すると背中を向けた和磨の姿が見えたので、慌ててチェーンを外し 玄関のドアを開けた。
「和磨!」
私の声で、門扉に手を掛け開けようとしていた和磨が振り返った。
「珠美。居たのかよ」
「う、うん……。裕樹はいないけど……。あのさ……。お、お茶でも飲んでいかない?」
一瞬、和磨がキョトンとした表情でこちらを見ていたが、すぐにまたいつものツンとした表情に戻り、門扉から手を離して玄関に向かってきた。
「昨日の、詫びにか?」
はぁ?
「詫びって、何よ?」
「まぁいいや……。上手いコーヒーが飲みたい」
そう言いながらスッと私の横を通り過ぎると、勝手知ったる我が家のように和磨が靴を脱いでさっさとリビングに行ってしまった。何よ。人がせっかく誘ってやったのに、偉そうに……。それでも和磨が家に入ってくれたお陰で、少しだけ怖さもなくなった。
「仰せのとおり、美味しいコーヒーをお入れしました」
テーブルの上にコーヒーカップを置き、おせんべいと共に和磨の前に出して自分のカップにもコーヒーを注いでから、バリバリとおせんべいをかじっていた。
「珠美。飯喰ったのかよ」
「食べたよ」
ピンポ~ン!
うわっ。
あまりの突然のインターホンの音に、椅子から飛び上がってしまった。
出る?出ない?
こんな時間に、新聞屋は有り得ない。月末じゃないから、集金でもないだろうし……。静かに階段を降りて階段の最後の二段ぐらいのところで止まって、外の様子を窺う。
「もしもし、俺……何?居ないのかよ。えっ?そうなんだ……悪い邪魔したな。それじゃ」
和磨?
裕樹と電話してるのか、ドア越しに聞こえる和磨の声がする。この際、和磨でもいいや。覗き窓からそっと確認すると背中を向けた和磨の姿が見えたので、慌ててチェーンを外し 玄関のドアを開けた。
「和磨!」
私の声で、門扉に手を掛け開けようとしていた和磨が振り返った。
「珠美。居たのかよ」
「う、うん……。裕樹はいないけど……。あのさ……。お、お茶でも飲んでいかない?」
一瞬、和磨がキョトンとした表情でこちらを見ていたが、すぐにまたいつものツンとした表情に戻り、門扉から手を離して玄関に向かってきた。
「昨日の、詫びにか?」
はぁ?
「詫びって、何よ?」
「まぁいいや……。上手いコーヒーが飲みたい」
そう言いながらスッと私の横を通り過ぎると、勝手知ったる我が家のように和磨が靴を脱いでさっさとリビングに行ってしまった。何よ。人がせっかく誘ってやったのに、偉そうに……。それでも和磨が家に入ってくれたお陰で、少しだけ怖さもなくなった。
「仰せのとおり、美味しいコーヒーをお入れしました」
テーブルの上にコーヒーカップを置き、おせんべいと共に和磨の前に出して自分のカップにもコーヒーを注いでから、バリバリとおせんべいをかじっていた。
「珠美。飯喰ったのかよ」
「食べたよ」