君がたとえあいつの秘書でも離さない

 彼と一緒にいたい。
 できることなら、この先ずっと。
 彼もそう思ってるはず。
 なんとなくわかる。
 
 付き合うときからお互いリスクは承知の上。
 それでいて、相性がいいとわかったのに、別れられない。

 「そうだ。春樹と仲直りした」
 
 「あの子と別れたらしいね。結構噂になってた。あの子遙から略奪して大騒ぎしてたからね。馬鹿だよね」

 「……付き合ってるとき弘取締役に挑発されてたらしくて」
 
 「なんですって?ホントなのそれ?まさか、それが理由なの?」
 
 「そうらしいわ。彼の策略にはまったって言ってた。私、浮気されたとき春樹の言い訳全く聞かなかったから。彼も私のために今まで黙っていたって。でも危ないから気をつけろって言ってくれた。何かあれば助けるって」
 
 「……やばいよ、遙。想像以上にやばい人なんじゃないの?弘取締役って。裏側真っ黒だったりして」
 
 「やめてよ。私怖くて考えないようにしてるのに」
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