君がたとえあいつの秘書でも離さない
直也さんと皐月さんは私達を見て、驚いた。
「匠、盛り上がってるじゃないか。遙さんと気が合ったのか?」
「遙、良かったね」
「皐月ったら。そういうわけではないから……」
「……じゃ、どういうわけだ?」
匠さんに睨まれる。え?どういうことよ?
直也さんと、皐月はふたりで目を見合わせて私を見て笑っている。
その後も匠さんと二人で話すことが多かった。
好きな食べ物や好きな映画。
まるで本当にお見合いみたいな雑談。
でも、驚くほど気が合う。
好きなモノが似通っているのだ。
こんな偶然ってあるのね。