君がたとえあいつの秘書でも離さない
 
 「ほう?大人になったな匠。ま、俺が現役でお前が息子であるうちは心配無用だ。俺をみくびるなよ」

 ニヒルに笑う父さん。

 男から見てもかっこいい。

 母さんがおちたのもわからないではない。
 
 若い頃は相当モテたと聞いている。
 
 すべての縁談を振り払って、母さんと結婚したんだからな。

 俺なんかの比じゃないだろう。

 とにかく、穂積さんのことをどうするか。

 柿崎と相談するしかないと思い、父にはそのことを言うと解放された。

 すぐに、柿崎に連絡し、穂積さんの調査を依頼した。
 
 資料を差し替えて、彼女の洗い出しをはじめるよう指示した。
 
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