君がたとえあいつの秘書でも離さない
 
 また、匠さんも彼女を目で追い、姿を探した。

 何故だ。何故、皆邪魔ばかりする。
 
 しかも、今回は仕事上のライバル会社。

 相手はあの、匠さん。
 
 俺は切れそうだった。

 普段なら、もう少し穏便にやるのだが、どこか回線が切れてしまった。

 清花と待ち合わせたカフェで古川さんが匠さんを見つめているのを目の当たりにした。
 
 待ち合わせだったのだろう。匠さんを見る目が恋する女の目だった。

 俺は我慢できず、彼女に話しかけ、あろうことか脅迫めいたことまで口にしてしまった。

 それから、彼女は俺を警戒しだした。

 公私混同はしないから見逃して欲しいと言われた。
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