君がたとえあいつの秘書でも離さない
「わかりました。僕も父に相談してみます。それとなく話してはありますので、大丈夫でしょう。ウチの銀行にとっても勝負です。巻き込むんだからキチンと頼みますよ、弘さん」
「わかっている。私も君とお父上の話を社長にあげて相談しておくからくれぐれも慎重に頼む」
一週間後。
原田くんから、お父上の説得が出来たので準備に入るよう連絡があった。
その日は実家へ戻り、父親である社長に事の次第を報告する。
「……大丈夫なのか?それで原田君の父親とはいえ、あの銀行の頭取ひとりでそんなことできるのか?」
根回しはすんでる。
堂本にやられてしまった中小企業や地方の商店街。
そういったところが頼りにしている地方銀行。
信用金庫。
皆、堂本のところに仕事を持って行かれた。