君がたとえあいつの秘書でも離さない
 
 「確かに。身分違いとは思わないけど、匠さんは少しお金持ちそうね。直也さんがウチの取締役と知り合いということは、そういう役職だということよね、おそらく二人とも。ここに来る前の仕事のパーティーもそういう人達のパーティーだったんじゃないかしら」
 
 「皐月の目的は達したでしょ。とりあえずイケメンゲットして、美味しいお酒をただで飲んだし」
 
 「ふふふ。そういえばそうだった。想像以上だったわね」
 
 美味しいお酒とおつまみとイケメン。

 そして、すべて彼らが支払ってくれたので私達の懐はあたたかいままだった。
 
 直也さんが皐月をこのままにするとは思えなかったけど、私も匠さんとのお話は面白かったし、有意義な夜といえるだろう。

 エレベーター前で別れて、私達は客室へ、彼らはどこへいったのやら……。

 とにかく、忘れがたいクリスマスにはなったと思う。
 
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