君がたとえあいつの秘書でも離さない
 
 「そろそろ、古川さんと別れて下さいよ。彼女のためでもあります」

 匠さんも、彼女も目をむいて驚いている。
 
 「匠さん。入札のことはまだ分かりませんが、それ以外でも勝負に出ます。少々手荒に行きますから、覚悟して下さい」

 「お手並み拝見といこう。それと、古川さんのことは公私混同しないはずだが、わざわざここで言うことかな?」
 
 匠さんがにらみつけてくる。
 
 「取締役。どういうことですか?ここは仕事場です」
 
 俺の秘書が怒りを見せた。

 ふたりして、何なんだ。
 
 古川さんまでそういう顔をするのか。
 
 そして、匠さん……こういう所が頭にくる。
< 133 / 274 >

この作品をシェア

pagetop