君がたとえあいつの秘書でも離さない
side 匠Ⅱ
「穂積さん。君には秘書は外れてもらう。部署を変わってもらうつもりだ。不服なら退社してくれ」
俺は、弘君と遙が出て行くと、すぐに穂積さんに言い渡した。
「どうして?」
「どうしてって説明した方がいいのかい?入札のことを探って、男女の関係だった彼に流そうとしていたと言うことを……」
穂積さんは青くなった。
「君のご両親のことを思うと大きくしない方がいいだろうし、弘君は君から情報が得られないと分かった段階で関係を絶ってきただろ?君だってわかっているはずだ」
「……わかりました。退社させて下さい。実家の会社は巻き込みたくありません」
「わかった。そうさせてもらうよ」
「……あの」