君がたとえあいつの秘書でも離さない
「なんだ?」
「いえ……石井取締役の秘書の方ですが、早くなんとかしないと彼に捕まると思います」
「そうだな。彼女次第だ。でも、君は彼女を侮っているようだな。少なくとも彼女は君とは違う」
「……」
「片付けしてくれて構わない。出たら柿崎を呼んでくれ」
「はい」
彼女は出て行った。
入れ替わりに柿崎が来た。
「退社したいといってきましたが、片付きましたか?白状したんですか?」
「いや。弘君に切られたようだ。お前の想像通りだったよ」
「しかし、よくこんなことしてきますよね。モラルのない人ですね。古川さんが心配です」