君がたとえあいつの秘書でも離さない
 
 今日のこともあり、嫌な予感がする。
 驚いてすぐに出る。

 「遙?どうした?」
 
 「匠さん。今大丈夫?ごめんなさい。声が聞きたくて」

 「どうしたんだ?何かあったんだろ」
 
 「大丈夫。声が聞けたからいいの。おやすみなさい」
 
 一体どうしたんだ?様子が変だ。まさか……。

 「何かされたのか?」
 
 怒りで声が低くなった。

 「今日の帰り、一瞬引き寄せられて抱きしめられたの。久しぶりに接触してきたの。気持ち悪くて、突き飛ばした。彼、様子が変だわ。私、限界かもしれない」 
 
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