君がたとえあいつの秘書でも離さない
皐月のこと知ってるの?
あの二人どうなってるんだろう。
そういえば、あれ以降その話はしていなかった。
「石井コーポレーションの原田取締役秘書は川口さんですよね?」
「そうです。同期です。同じ秘書室勤務となりましたが」
「彼女とお食事に行く時なんて、大変ですよ。色々お店リサーチするのでお手伝いさせられてるんです」
なんですって?
「本人に聞いていなかったのですが、はじめてお目にかかったとき一緒にいまして、その頃から蓮見専務は川口を気に入っておられたようにお見受けはしておりました」
「ふふふ、おかしいでしょ。全力なんですよ、いつも。今回はうまくいくといいんですけど」
面白い、花田さん。
「川口の気持ちは聞いておりません。ただ、彼女は友人ですがとても美人で仕事も出来るので、蓮見専務の気持ちはわかります」
「そうですか。まあ、古川さんを巻き込んで何かするかもしれませんが、どうぞよろしくお願いします」
おかしくて、笑ってしまった。
「秘書業務が多岐にわたっていらっしゃるようで大変ですね」