君がたとえあいつの秘書でも離さない
 
 「確かにお付き合いさせて頂いています。……私に何か?」

 
 「できれば、お目にかかってお話ししたかったんですけど、記事が出てしまったので私も取材対象になりかねない。外出が難しくなってしまって。もっと早くご連絡出来れば良かったんですけど、弘さんに警戒されてて……」

 
 「記事のことですね。少し噂になっています。奥様が当事者だとか……」

 
 「そう。高校時代の自殺未遂は本当のことです。でも、若くて今思えば世間知らずだったせいなの。かごの鳥のように育てられてきて、初めて幼馴染みの隆さん達以外で親しくしてくれたのが匠さんだった。彼を好きになるのに時間はかからなかった。自殺未遂も私が勘違いして暴走しただけなのよ」

 
 「どうして、記事にされてしまったのですか?」

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