君がたとえあいつの秘書でも離さない

 「そうですか。わかりました。とにかく、彼女の判断に任せます。仕事を辞めていずれ僕の所に来てもらってもいいのですが。父の考えもわからないので」

 「そうだな。石井と違うところは、君のお父上は非常に冷静で揺るがないところだよ。今回のこともきっと乗り切られるだろう。私も考えがあるので、お父上と橋渡ししてくれないか」

 「わかりました。秘書経由ですぐに父に連絡しておきます。さくらさんのお話は、必ず止めて下さい。このことはこちらでなんとかするので心配無用です。そして、気持ちは嬉しかったとお礼をお伝え下さい」

 「ありがとう。秘書の彼女の件は任せてくれ。娘のようなことにならないよう私も出来る限りのことはするつもりだ。君も大変だろうが、無理するなよ」

 「ありがとうございます」

 電話を切ると、遙に連絡したくてしょうがなかった。
 
 そして心配で食事が喉を通らなくなった。
 
 周りは、自分のことかと思っていたようだが。
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