君がたとえあいつの秘書でも離さない
 
 自分のことはどうとでもなる。
 一時期姿を消し、会社からも姿を消せばいいのだ。
 
 それより、遙。
 どんなに苦しんでいるだろう。

 記事が出て一ヶ月。

 記事のことは、全て本当のことではないと、広報から回答させた。
 だが、自殺未遂した女性がいることは本当だ。

 いきさつはどうあれ、ゴシップとして良い印象を与えないことは確かだった。
 過去のことだが、こういう世界ではその言い訳はなかなか通じない。
 
 そして、しばらく俺自身は仕事を自粛すると伝えた。
 手をつけていた事業は全て部下と柿崎に任せた。
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