君がたとえあいつの秘書でも離さない

 翌日。
 具合が悪いと言って休みをもらい、早速病院へ行った。
 
 もう、妊娠三ヶ月になろうというところだった。

 避妊はしていた。
 お互いこの妊娠は予定外だ。
 しかもこんな時に……。
 でも、いい方へ考えれば匠さんとの関係はもはや切っても切れないところまで来たということだ。
 赤ちゃん。きっと私のために来てくれたんだね。
 今すぐはだめだけど。
 時間をおいて、必ず……。
 
 いずれ、必ずお父さんに逢わせてあげる。
 でも、少しだけ待っててね。
 お腹を撫でながらそうつぶやいた。
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