君がたとえあいつの秘書でも離さない

 引っ越しを迷っていたら、試験前に望が来た。
 ここから試験に行く。

 弟を信頼して、とりあえず事情を全部話して、相談した。
 望は割と冷静に聞いてくれたが、妊娠しているとわかると豹変した。

 「姉さん。正直名義を他人にするとか法律に触れそうなことやめなよ。俺、これでも弁護士目指してるんだから」
 
 「……確かに。ごめん」
 
 「それから、妊娠はリスクありすぎる」
 
 「え?」
 
 「俺と同居しよう」
 
 「は?」
 
 「その、水戸のマンションとりあえず俺と同居しよう。こっちに越してくるから。名義は俺でいいよ」
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