君がたとえあいつの秘書でも離さない
こちらでも結局、パラリーガルをはじめた。
司法修習が始まるまでやるとかいってる。
信じらんない。
目の前に影。
目を上げると、え?
蜃気楼か何か?日差しで顔がよく見えない。
「……遙。久しぶりだね。やっと会いに来たよ」
懐かしい声。
匠さんがいる?え?
「遙?聞こえてる?」
肩をつかんで私の顔の前に自分の顔を近づけてくる。
「……た、匠さん。え?どうして……」
買い物袋をどかして、すぐに横に座ると、私のお腹にそっと触った。