君がたとえあいつの秘書でも離さない
「紹介してくれよ……早く俺の子供に。待ちくたびれて会いに来た」
そう言うと、私の左手を持ち上げて、指輪をなぞる。
そして、お腹に向かって話しかける。
「……お前のママは驚きすぎて声がでなくなっちゃったのかな?」
優しい眼差しに、目の前が曇りだした。
気づくと涙で彼の顔がよく見えない。
彼に抱きついた。
「……う、う、うー」
彼は、私を優しく抱きしめると、背中を撫でてくれた。
「愛してる遙。大変だったな。もうそろそろいいだろ、雲隠れ生活」