君がたとえあいつの秘書でも離さない
「それと。清水物流の清水社長のことだけどね。さくらさんには話していないようだが、事件後から連絡をくれたんだ。父や俺と今でも連絡を取り合っている。君を『身請け』したときにも報告があったよ」
嘘でしょ?そんな前から。
「それより遙。どうして妊娠したことを隠していた?GPSでいつも同じ病院に行っていたので、確認させた。総合病院だったから心配でね。柿崎がパート先に確認して妊娠が分かった。その時の俺の気持ち分かる?清水社長やさくらさんにも言ってなかったのか」
怖い顔をして睨んでいる。
望の言ったとおりだった。
「ごめんなさい。言うつもりだった。そろそろ連絡しようと思っていたの。本当よ。とりあえず、安定期過ぎて弟の試験結果が出てからと思ってたから」
「本当かな?」