君がたとえあいつの秘書でも離さない
 
 「それと。清水物流の清水社長のことだけどね。さくらさんには話していないようだが、事件後から連絡をくれたんだ。父や俺と今でも連絡を取り合っている。君を『身請け』したときにも報告があったよ」

 嘘でしょ?そんな前から。

 「それより遙。どうして妊娠したことを隠していた?GPSでいつも同じ病院に行っていたので、確認させた。総合病院だったから心配でね。柿崎がパート先に確認して妊娠が分かった。その時の俺の気持ち分かる?清水社長やさくらさんにも言ってなかったのか」

 怖い顔をして睨んでいる。
 望の言ったとおりだった。

 「ごめんなさい。言うつもりだった。そろそろ連絡しようと思っていたの。本当よ。とりあえず、安定期過ぎて弟の試験結果が出てからと思ってたから」
 
 「本当かな?」 
< 221 / 274 >

この作品をシェア

pagetop