君がたとえあいつの秘書でも離さない
 
 すると、匠さんはびっくりしてじっとお腹を見てる。
 
 「遙。本当に子供がいるんだな……」

 「何?変?恥ずかしいから、じっと見ないで」

 「何言ってるんだ。俺の子だろ。俺が見なくて誰が見るんだよ。柿崎見るな!」

 柿崎さんは苦笑して、匠さんを見てる。
 もう、仕事のときの匠さんとは別人になってる。
 本当にこういうところ、可愛いのよね。

 「はいはい落ち着いて下さい。赤ちゃん、パパが会いに来てくれたよ。良かったね。会わせるのが遅くなってごめんね」

 私は、お腹に手をやりながら話しかけた。
 すると、匠さんは私を引き寄せ抱きしめた。

 「やだ、匠さん、恥ずかしいからはなして」
 
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