君がたとえあいつの秘書でも離さない
 
 「よく言いますよね。口には出さないけど、いっつも男の子であることを前提に話してましたけど」
 
 「そんなことはない!」
 

 「お二人ともお静かに!赤ちゃんが驚きますよ。祖父母の喧嘩なんて聞きたくありません」
 
 奈津さんがすごい剣幕でカートを引いてお茶を運びながら睨んだ。
 
 「おー怖。すごいだろ、遙。うちで一番偉いのは実は奈津なんだ」
 
 匠さんが横で囁く。
 
 「……ふふふ」
 
 頼もしくて、いいわ。
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