君がたとえあいつの秘書でも離さない
十二月に入った。
私は皐月と連絡を取り合って、四人が初めて会ったあのホテルで食事をしようと計画した。
「久しぶりだね、遙さん。大きなお腹だ。信じられないよ」
直也さんが私を見て両手を挙げた。
「何が信じられないんだ?お前こそ、結婚決めたそうじゃないか。何で連絡してこないんだよ」
匠さんが直也さんを睨んだ。
「それは、お前が遙さんに会えなくてイライラしているところに俺の幸せを伝えたら逆ギレされそうだったしな」
「いや、それもそうだが相手は皐月さんなんだから連絡しろよ」
二人は私達そっちのけで話し出した。
どうやら、久しぶりに話したみたい。