君がたとえあいつの秘書でも離さない

 「忍ちゃん。可愛いね。やっぱり遙のほうが似てるかな。男の子は女親に似るとかいうけど、そうなのかもね」

 「まだ、生まれたてだからよくわからないわよ。皐月はどう?」

 「もう、最悪。つわりがはじまったみたいで、何も食べたくないし。正月で実家帰るのも嫌。色々言われそうだし、気持ち悪いのに大勢の人が来て、お酒の匂いがするなんて地獄」

 「そう言われればそうね。お酒の匂いは辛いかも知れない。彼のマンションにいたらいいんじゃないの?」

 「彼は彼で、お子様ですからね。甘えてきて面倒なのよ」

 「よく言うわよ。そういう直也さんに惹かれたんでしょ?」

 「生まれた子も甘えてきたらどうなるだろう?恐ろしくて考えたくない……」

 可笑しくて笑ってしまった。

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