君がたとえあいつの秘書でも離さない

 夜にはそれが大活躍する。
 得意げに音源を持ってきた匠さんは忍の枕元にかけて、頭を撫でながら寝るのをじっと待っている。

 「忍のやつ、また寝たぞ」
 
 にこにこしてベッドにいる私の横へ戻ってきた。
 
 隣の子供部屋に忍を寝かせている。寝室とは隣同士。
 私はふたりのベッドの横に忍を寝かせようと思っていたのに、匠さんが言うことを聞かない。
 
 「ダメだ。遙が俺に集中しないから……忍のことばかり気にする。ドアは開けておくから見えるようにしてやるよ」

 「それこそ、気になってしまうかも。だって……」

 匠さんが睨んでる。え?

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