君がたとえあいつの秘書でも離さない
ひゃー、歯の浮くような台詞をサラッと言うし……。
皐月もにっこりと笑い、赤くなることもなく返事してる。
「それは、失礼致しました。お話していて忘れていたりしたら恥ずかしいです。ですが、貴方もとてもイケメンですから、私も忘れることはなかったと思いますけど」
相手の彼はこちらを見てにっこり。
話し出した。
「今日は、クリスマスですがお二人はこれからご予定ですか?」
「いえ。今日は二人でクリスマスです。そちらは?」
「私達は、会社関係のクリスマスパーティがこのホテルの上でありましたね。先ほどまでそちらで挨拶回りして、お腹がすいたのでイタリアンで食事をしたところ。これからバーで飲み直すんですが、ご一緒にいかがですか?」
「おい、直也」
一緒にいた3つ揃えスーツのイケメンが彼を遮った。
「匠。いいだろ、プライベートなんだからさ。今日くらい。クリスマスだぜ。お前とデートも飽きたよ」
匠と呼ばれた彼は、呆れた顔をしてため息をついた。
「じゃあ、俺は先に帰るよ」
皐月が言う。
「出来ればご一緒されませんか?私も友達と二人ですし、飲むくらいなら。その後はご一緒いたしませんから」
ハッキリ言う。
「ね?遙もいいでしょ?」