祖国から追い出されたはずが、過保護な皇帝陛下と海の国で幸せな第二の人生を送っています─嫌われ薬師の恋と調薬─
嗅いだことのない、花のような、甘い芳香に、息をのむ。
男の人の瞳には切実さが滲んでいるが、薬屋は裏通りになく、案内をすることができない。
「すみません、この辺りに薬屋はないです……大通りに出たほうが……」
「そうなんだね……ありがと」
男の人は「みんな薬屋ないっていうんだけど、隠してるってわけでもないのかな?」と首をひねっていた。
「……あの、どこか悪いのですか」
私は男の人を眺める。しかし男の人は、さっとフードで自分の顔を隠してしまう。
「大丈夫、今から君と遊べるくらい元気だよ」
男の人の瞳には切実さが滲んでいるが、薬屋は裏通りになく、案内をすることができない。
「すみません、この辺りに薬屋はないです……大通りに出たほうが……」
「そうなんだね……ありがと」
男の人は「みんな薬屋ないっていうんだけど、隠してるってわけでもないのかな?」と首をひねっていた。
「……あの、どこか悪いのですか」
私は男の人を眺める。しかし男の人は、さっとフードで自分の顔を隠してしまう。
「大丈夫、今から君と遊べるくらい元気だよ」