恋に堕ちたら【完】
凌先輩がたどり着いたのは、今は使われていない旧美術室。
いつも鍵が空いていて、基本誰でも入ることができる。
「ふふふ」
初の先輩とお昼ご飯。
って言っても、私が勝手についていって、勝手に先輩の前に座っただけだけど…
「きもい。」
そう言って、メロンパンを頬張る。
「なっ、先輩とご飯を食べれてるのが嬉しいんです!」
先輩のお昼ご飯は、甘い物ばかり。メロンパン、チョココロネ、いちごみるく…
「あっそ。」
こんなに怖い顔しておいて、甘党なのはずるい!!
「あ、そうだ。先輩の好きなタイプ教えてください!」
まだ聞いたことがなかった。
「…大人しい人。」
先輩は少し考えた様子を見せたあと、小さな声でそう呟いた。
「私と真逆じゃないですか!」
「当たり前だろ。」
今日初めて、私と視線を合わせてニヤッと笑う先輩に、心が弾んだ。