恋に堕ちたら【完】
「いやです。」
「は?」
「私は凌先輩が好きです。本人に拒絶されるまで諦めません。」
凌先輩から直接そう言われたら、もう追いかけることはやめる。
でもそれまでは、好きでいたい。
先輩が私のことを好きになってくれなくても。
「あんた、ほんと可愛くない子ね」
「あんたみたいな子供、凌くんが好きになるわけないでしょ。」
歪んだ怖い顔が、近づいてきて、手を上に上げた。
壁際に追い込まれた。
危ないと思った時には遅かった。
パシンーーー
咄嗟に目をつぶった瞬間、頬に痛みが走る。
「いっ、」
「あらごめんなさい。手が滑って。」
ふふっ、と笑う先輩たちに恐怖を感じる。
女の人って本当に怖い。