僕のキャパシティイズオーバー
……来いってか……?

ファンが億単位積んででも飛び込みたいと思ってるその胸に、来いってか!?


またドクドクと騒ぎ出す正直な僕の心臓は、言うことを聞いてくれそうにない。

まさか、良かれと思って取ってきた仕事が仇となるなんて……っ!


「……」


その整った顔を眺めながら思う。

奏多は、超まっすぐピュアピュアな硬派な男の子。

そして女嫌い。

練習させてくれと言うくらいだから、本当に女の子との経験がないんだと思う。

だから、たとえ僕の感触があからさまに女の子のそれだったとしても、気が付かない……と信じたい。

胸潰しのサラシしてるし、お尻を潰して男性器が付いてるように見せるための男装用ガードルも履いてるし……


「早く来いよ。ほら」


相変わらずイケメンすぎる真顔の奏多に促されて、僕はごくりと息を吞んだ。


「……わ、わかった。行くよ……?」


そして僕は、思い切ってその胸の中に飛び込んだ。


なるようになれ!!


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