僕のキャパシティイズオーバー
奏多は僕を抱きしめたままスンスンと首元の匂いを嗅ぐ。

「ちょっ…!?」

奏多のサラサラな黒髪が耳元をくすぐって、昇天しそうになる。


「……それにやらけー……お前ひょろっとしてるからもっと骨ぼねしてるのかと思ってたけど…なんで?」

「なっ、?なんでって……っ」


色んな意味でドキドキしちゃって、頭に血がいかなくなってきたのかクラクラしてくる。


「い、遺伝、で…っ、ひゃあ!変なとこさわんないでくだせい!!」

腰のあたりを触られて日本語がちょっとおかしくなる。

「んだよ、文句が多いな」

「もう、もういい?奏多のハグ上手になったから、そろそろ…っ」

「んー……」


なんだか甘く聞こえる声を僕の肩に落とした奏多は、腕の力を緩めるどころか、反対に、少しだけ抱きしめる力を強くした。


「……もうちょっと」

「え、?え…!?」

「気持ちいいから、もうちょっと」




ゴファ!!




ああああもうだめむりむりしぬしぬしぬ



わ、わ!頬でスリスリするのやめて…!

耳元の甘い吐息、やめてぇぇえ!!


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