僕のキャパシティイズオーバー
「えー……汐里(しおり)菜々(なな)さん」


私、汐里菜々は、


「アイドルマネジメント学科の首席進級、おめでとう」


その猛者中の、猛者なのである。


「あ……っ、ありがとうございます、学園長…っ!」


本当に恐れ多い空間で、委縮してしまう猛者中の猛者。


あああ手の震えが止まらないい…っ


「はは。緊張しているね?」

「す、すみません」

「いいんだよ。どんな人も緊張するときはするんだ。汐里さんが評価されたのはそういう飾らない人柄なんだから」

学園長はそんな私の手を取って、ギュッと握手を交わしてくれた。


「ここまでよく頑張ったね」


優しくそう言ってもらえると、本当に自分が首席の座を勝ち取れたのだと実感して、泣けてくる。
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