僕のキャパシティイズオーバー

ファンサービスを学ぶ

「やっほー!みんな大好きな永遠の17歳、ウェッティーだよー☆それではさっそくファンサの授業始めていきたいと思いまーす♪」


派手な衣装を身にまとって、星の形のサングラスを外してニコッと微笑んだのは、私立花ケ崎学園のファンサの専任講師、ウェッティー先生。

48歳……じゃなくて、永遠の17歳の、ベテランメンズアイドルだ。

ウェッティー先生は現役時代、奇抜な歌やダンス、ファンの心を掴んで離さない抜群のアイドル性で一世を風靡した生ける伝説で、引退して20年以上経った今でも日本で知らない人はいない。


「みんな知ってると思うけど、ファンサっていうのはライブ中にファンの子達がうちわとかで『ウィンクしてー♡』とか『指ハートしてー♡』とかあげるのを、アイドルが応えてあげることねー」


ウェッティー先生が話してる最中も、教室の中はザワザワとして落ち着かない。

……その原因は、僕の両隣にある。

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